中学英語教諭の教える浪人の苦労

中学校の英語教師として15年勤務している先生より浪人時代のお話を聞くことがありました。
地方から上京しての浪人生活はアルバイトと学習の両立をしなくてはならず想像以上につらいことが多かったそうです。

高校を卒業してもその後の予定は白紙のまま

地方出身の私は、高校卒業後の進路が決まっておらず、とりあえず地元を離れたくて、姉が住んでいる東京に行くことに決めました。

なぜ高校卒業後に進路が決まっていなかったかというと関東の大学を5校受験し、全て落ちてしまったからです。
ではなぜ落ちてしまったのか。
理由は小さな地元のレベルに落ち着いており、他との比較をしなかったこと、好きなことばかりして高校生活の計画を立てずに3年生になって焦ってしまったこと、受験したい大学のレベルを落とさなかったことが主な理由です。

レベルを落とさず、どうせ高い授業料を払うならせっかくなら行きたい大学に行きたいという思いが強かったからです。
とりあえず東京にいき、アルバイトしながら塾代を稼ぎ、長い人生の一年間くらい浪人してもいいと腹をくくりました。

メリハリをつけて勉強とバイトをしたことでかえって集中できた

受験勉強とアルバイトを並行しながらの生活は思っていたよりも辛く、特に1日8時間普通に働いて生活費を稼ぎながら予備校に通うための貯金もしなければならず、体力も精神面もきつかったです。

毎日働かなければ東京での生活は無理です。
何をするにもお金がかかります。
移動、食事、付き合いなどで実家がような生活はできません。

そこでアルバイトに行く前にできるだけ受験勉強をしていくことにしました。
働かなければ生活できないので、予備校は夏期講習と冬期講習のみに絞り、それ以外は講義形式の参考書を頼りに大量の問題を解くという形で勉強しました。

毎日問題集のノルマをきめ、間違いノートを作成し、弱い科目、分野を徹底的に攻略していきました。
それからアルバイトに行くので帰ってきたら少しはリフレッシュの時間が持てました。

受験当日はあまりに緊張して詐欺に合うところだった

受験前日、その大学に拘り続け、緊張して眠れず、一睡もしないまま試験会場に向かいました。
試験会場の駅前から大学前では当時は合格通知を知らせる宅配サービスの詐欺が流行っており、緊張していた私はまんまと引っ掛かり2500円支払ってしまいました。

大学について、何故大学の外であんなサービスしてたんだ?と疑問に思い、詐欺に遭ったと気付きました。
怒り狂った私は騙された場所に戻り、キャンセルするからお金を返してくれ!と強気で要求し、無事にお金も返してもらい、会場に到着しました。
そのときには怒りがおさまり、緊張もほぐれ、リラックスして、見事大学にも合格できました。
ある意味、詐欺集団のおかげです。

浪人が決まったら浪人生の特権を生かさない手はない!

一昔前と違い、今は人よりも大学が多い世の中です。
いいかえると、選ばなければ誰でも入れることになります。
こんな時代だからこそ本当に行きたい大学を目指すべきだと思います。

それと大学を目指すためのできることは高校生の三年間で計画的に学ぶ方がいいですね。
もし浪人するしかないなら、考え方を前向きにした方がいいです。

私は人より遠回りな分、人の後悔も見ながら進路決定ができましたよ。